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【中央所属馬の評価】

　マテラスカイは前年覇者。昨年は中東遠征から帰国後、門別の北海道スプリントＣ(Jpn3)惜敗からのステップ。最内枠から逃げたヒロシゲゴールドを追いかける形から坂上差し切り勝ち。勝ち時計が１分08秒５のコースレコード。日本レコードのおまけまでついた。今年は３月のドバイ以来のぶっつけとなるが、ドバイ明けは過去３年１・５・２着と悪くない。負担重量は前年と変わらずの55キロ。これはＪＢＣスプリント(Jpn1)で２着が２回ある馬にとっては有利な条件。

　ヒロシゲゴールドは前記のとおり、昨年はマテラスカイとゴール際まで叩き合っての惜敗だったが、一昨年も逃げてヤマニンアンプリメと１馬身差の２着。この時は１番人気のコパノキッキングに先着しており、盛岡コースは合っているとみていいだろう。前走で門別の北海道スプリントＣ(Jpn3)を勝って、念願の重賞初制覇。大外枠から３番手に控えて、直線抜け出す形での勝利だけに、この馬には収穫の多い一戦だった。このグレード勝ちによって今年は１キロ増の55キロとなるが、勢いに乗って連勝の可能性も十分。

　リュウノユキナの前走はヒロシゲゴールドが勝った北海道スプリントＣ(Jpn3)２着。直線ヒロシゲゴールドに並びかけたが、最後にもうひと伸びされた惜敗だった。これで出走レースをダートの1200ｍに固定した昨年９月から２・２・１・１・１・２着。初重賞勝ちとなった前々走の東京スプリント(Jpn3)では昨秋のＪＢＣスプリント(Jpn1)の勝ち馬・サブノジュニアに競り勝っており、先行勢の直後から差す形が確立され、抜群の安定感を誇っている。ある程度前につける先行力があっての差し脚兼備。盛岡向きと思われる。

　ジャスティンは昨秋のＪＢＣスプリント(Jpn1)１番人気馬。結果は４コーナーで躓いて８着と消化不良だったが、昨年は４月の東京スプリント(Jpn3)、10月の東京盃(Jpn2)、12月のカペラＳ(G3)とダート1200ｍの重賞を３勝。それゆえ今回は58キロを背負うこととなるが、58キロはカペラＳで克服済み。年が明けて中東遠征を敢行し、マテラスカイと同じ２レースを使われてきた。国内復帰戦の前走が札幌芝1200ｍの函館スプリントＳ(G3)16着。今回は状態面がどれだけ上がってくるかが鍵になる。

　サイクロトロンはデビュー４戦目から出走レースをダート1200ｍに固定され、昨年の11月から馬体の増加とともに３連勝。一気に条件クラスをクリアしてきた４歳馬。オープン入り初戦となった３月の千葉Ｓ（中山ダ1200ｍ）が８着。続く前走の東京スプリント(Jpn3)も８着。オープンではまだ結果が出ていないが、ともに内枠を引いたため苦しい先行策を強いられており、この２戦だけで力不足と判断するのは早計というもの。今回は４月以来の競馬となるが、ここ２戦で減った馬体が回復してくるようなら、むしろ好材料に。

【地方所属馬の評価】

　ボタニークは中央未出走→道営５勝から今春、岩手に転じた７歳牝馬。Ａ級入りしてまだ２戦だが、前走のトライアル・岩鷲賞（盛岡ダ1200ｍ）では直線素晴らしい末脚で２着に突っ込んできた。キャリアのほとんどが右回りでの先行競馬であり、左回りの差し競馬にまだ伸びしろがありそうだ。とはいえ、その前走で６馬身ぶっちぎったキラットダイヤは中央２勝クラス出身。ここでレベル比較はするまでもなく、今後に繋がるレースを期待したい。

【解説者の予想】

　今年は地方側にグレードレベルで戦える馬がおらず、完全な中央馬の争い。５頭中４頭がこの距離のグレード勝ち馬という顔ぶれで、激しいレースになりそうだが、ひとつ鍵になるのは盛岡の馬場状態。昨年はマテラスカイがレコードを叩き出したが、今年の盛岡は３開催が終わったところで、昨年よりおおむね２秒ぐらい時計がかかっており、昨年のような高速決着はなさそう。それでも門別や大井よりは速いだろうが…。主役にはリュウノユキナを指名。前記した馬場への適性がありそうだし、この馬以外の中央馬４頭はすべて逃げベストに近い先行型。展開も向くはず。相手は難しい。ヒロシゲゴールドとマテラスカイはこのところ外目の枠順なら番手の競馬もこなしており、そのあたりに期待だが、昨年の姿を取り戻せばジャスティンがあっさりの可能性も秘める。そして中央馬で唯一基礎重量＝54キロで走れるサイクロトロンも軽くは扱えない。

　◎(8)リュウノユキナ
　○(10)ヒロシゲゴールド
　▲(12)マテラスカイ
　△(4)ジャスティン
　△(3)サイクロトロン